トップ 漫画 車関係 雑談 動画 自己紹介

書いちゃいました、短編小説-車道楽の悲哀-

10 食虫植物

今日は奥さんの誕生日です。

昨年はお花を贈った時のものすごく薄い反応に、今年はお花にちょっと工夫を凝らしてみようと思い、帰宅途中に花屋さんによってこんなものを買って贈りました。

「はい、食虫植物です。」

「………………」

おお、昨年の花束よりさらに反応が薄い。薄いのを通り越して、真夏なのになんだか寒い。
初めて知った驚愕の事実です。
もしかして、ダメなのか、誕生日プレゼントに食虫植物は。

その様子(奥さんの冷たい反応)を見て判断するに、誕生日プレゼントに食虫植物は絶対にNG!
皆様、くれぐれもNGですよ。

ところで、帰りに花屋さんによって、食虫植物を買って、意気揚々と車に乗り込んで発車したとたん、

「んっ?」

嫌な予感が……

素人の表現だと、発進時に機械式のLSDの最初の引っかかりのような感触があります。

ということで、自宅に着いて食虫植物を奥さんにプレゼントして、凍った雰囲気を背にして、そのままもう一度自宅を出て、悪魔の棲む館に。

しゃっちょさん:「どうしましたか?」

私:「あの、R、1、2速で発進時に機械式のLSDの引っかかりのような感じがします。」

しゃっちょさん:「(非常に暗い顔で)乗ってみましょうか」

クラッチを当てた瞬間、非常に暗い表情で

「わかりました、これ以上走らなくて大丈夫です」
「先生、私癌ですか?癌ですね?もう駄目なんですね?」

と言う心境です。

確定診断待ちですが、M3の主治医は乗った瞬間にもう診断がついてしまったようです。

しかもひたすら暗い顔で下回りを覗いています。
「たぶんデフがダメです。本国発注で2-3週間、新品だと部品代だけで●×円くらいです」

きゃ~、

その見積り金額をもって、あの凍りついた自宅に帰って、食虫植物が置かれたリビングで、さらに片頭痛の嵐に襲われている最中の奥さんに、それを伝えないといけないのか?

不可能です、絶対に不可能です。そんなこと、口が裂けても言えません。

とりあえず動かなくなった愛車を悪魔の棲む館に置き去りにして、自宅に帰りました。

奥さんは車が不動になったことを知りません。

ものすごい金額の修理代が待ち構えていることを知りません。

片頭痛がよほど辛いのか、
「上(寝室)でテレビ見るから」
と早々と寝室に上がってしまいました。

このことをLINEで奥さんに知らせるか、メールで知らせるか、できれば伝書鳩で知らせたい気分です。

 

コメント