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書いちゃいました、短編小説-車道楽の悲哀-

2 生まれ変わっても

夫を残して先立つ妻が言った。
「あなた、今度生まれ変わるときには、元気で一緒に長生きしてくれる人を奥さんにしてね」
妻の手を握りしめて夫は言った。
「なにを言っているんだ。何度生まれ変わっても、君を見つけて、君といっしょになるよ」

よくあるドラマの一場面です。
二人は何度引き裂かれても、また出会って添い遂げるのです。

私は、M3とのほろ苦くも甘美な4年間は決して忘れません。
生まれ変わっても、また、このM3を愛します。

と言っても、まだM3は所有していますが、今や毎日の通勤やその他、一人の移動での車は、M3から日産マーチニスモSに変わりました。

BMW M3を中古で購入してからの最初の4年間は、月曜日から土曜日まで毎朝娘を幼稚園に送って行ってから職場に行き、日中の仕事の移動も、仕事からの帰りも、毎週日曜日のヘッポコテニススクールも、全部全部、ほとんど1年365日、まさにコレ一台で生活しました。

そして、M3の壊れること壊れること。

日本車では考えられないような部品が、考えられないような低走行距離で壊れました。しかも、部品が非常に高価なんです。おどろきました。度肝を抜かれました。

家族の車としてはエルグランドがあったので、休みの日に家族全員で出かける場合はM3は使わないのですが、平日は奥さんがエルグランドを使い、私はM3を使うため、M3が故障してもエルグランドを使うことも出来ませんし、もちろん自前の代替車があるわけでもなく、いつ故障するかわからない、そして故障するとべらぼうな修理費が必要だという恐怖と毎日向き合いながらも、私にとっては初のエキゾチックカーとの甘美な日々で、乗るたびにBMWのそのフィロソフィに酔いしれていました。

”外車の維持費は高額か”の論争が世間でしきりにされていますが、少なくとも私にとって、維持が継続出来る代物ではありませんでした(まだ手放していませんが)。

高額な維持費、故障の多さ、そして部品の値段のべらぼうさ故、一時は夫婦別居寸前まで行ったほど、このM3は私の人生に大きく影響しました。

この普通の3シリーズに少し毛が生えた程度の外観のM3が、それほどの破壊力を秘めているとは露知らず、スバルの車に魅せられて、中古で購入したのです。

2011年7月登録の走行距離17000kmのディーラー認定中古車輌を2014年7月に購入しました。

本体価格 570万円
支払い総額674万円
手のかかる娘です。

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