スバルの開発陣のスピリットに魅せられて、レガシィTW、フォレスターSTI、インプレッサSTI、インプレッサSTIと四台スバルを乗り継いできましたが、乗るごとにスバルにのめり込み、スバル関係の本や記事を読み漁りました。
そして、スバルの開発秘話に度々出てくるBMWのM3にあこがれて、清水の舞台から飛び降りるつもりで、中古のMを購入しました。
何かの時に家族五人全員が乗れるようにとの嫁の勅命で4ドア(五人のり)を選択、私の趣味で3ペダルMTが条件で出物を探して2年、やっとこの車にめぐり合いました。
(2014年7月24日、16759kmで納車)
(ボンネットが透けている画像は、加工してあります)
2014年7月に購入し、毎朝三女を幼稚園に送って行き、その足で職場に向かい15km、帰りは自宅まで10km、週6日通勤、日曜日はテニスに通うために使用し往復20km、1年365日ホボ毎日使用しました。
2018年5月に通勤をマーチニスモSにバトンタッチして、それ以降はたまに乗る程度です。
今は昔
今となっては昔の話ですが、こんなことがありました。
数年前の冬の出来事です。
通勤でM3を毎日使っている頃のことです。
クラッチをつなぐと、独特の振動が発生するようになりました。
クラッチが減ってすべる感触は未だ出ていないのですが、どうにもクラッチがつなぎにくいです。
ということで、主治医の元に愛車を持ってゆきました。
しゃっちょさんが
「ジャダーです。クラッチが減っているので交換です。場合によってはマスホイールも交換です。マスホイールはあけて(ばらして)みないとわかりませんね。」
以前のブログでも書きましたが、毎日使う車なので、あまり長期に修理に出すと困ります。
そのため、クラッチだけ部品を調達して、ばらしてみてマスホイールもダメならさらにそれからマスホイールの調達をして作業をしてもらう手順だと、長期間車を預けないといけないので、厳しいです。
こういう細かいところの積み重ねなのでしょう、外車を維持するということは。
「(部品代は)どれくらいかかりますか?」
「部品代だけで〇×です」
え~、そんなに?いままで14台くらい日本車を乗り継いできましたが、そんな部品代、聞いたことがありません。
ポルシェほどではないにせよ、やはりM3の部品代は高い!
結局、車輌自身は中古で購入しているので、この際マスホイールも一緒に交換してもらうことにしました。
ーまだ続くー
自宅に戻って
自宅に帰って、奥さんに
「音が鳴ってるのはクラッチだったよ。対になるマスホイールも一緒に交換してもらうことにしたよ。クラッチだけだと〇×円だけど、マスホイールも一緒に交換すると×△円クライかな?」
「えっ、そんなに高いん?クラッチだけでいいんとちがう?その何たらはまたの機会にしたら?」
「バラスついでだから、一緒に交換しようと思ってるねん。マスホイールの分は自分の小遣いでだすから」
それ以降、1週間奥さんとの会話はありませんでした。
奥さんは特にヒステリックだとかエキセントリックと言うことはありませんが、完全に地雷をふんでしまったのでしょう。
その夜はたまたま友人との会食だったのですが、会食から帰ると、リビングは完全に真っ暗。
そのとき初めてことの重大さに気がつきました。ブログをつけながら、涙がぽろぽろと止まりませんでした。何が悲しいかすらわからない状態でした。
ダイニングテーブルに座ってただただ自分のおろかさを痛感しました。
「クラッチなんて消耗品だから交換するのが当たり前」
なんておごった考えが自分の中に知らず知らずのうちに芽生えていたのでしょう。
そういえば、以前、頼んでいたバックがたまたま入ったと外商さんから連絡がありました。
そのとき奥さんは、
「やっぱり要らない。そんなお金あったら家族全員で旅行に行っておいしいもの食べるほうが楽しい」
そういうことなんでしょう。なかなか外商からまわってこないXXX万の、欲しかったバックがたまたま回ってきたから買う、というのを家族のために見送った奥さんの気持ちを、そのときの私は理解していなかったのです。
そう思いながら、涙が止まりませんでした。
ーまだ続くー
1週間が経って
1週間後にLINEで奥さんと話し合いました。
我が家の経済状態から言うと、50万100万の出費はたいしたことが無いけど、毎日子育てに追われて、自分が一杯一杯になっているところに、
「消耗品だから交換はしかたがない」
という車道楽独自の考えが突き刺さったようです。
今までと同じように一緒に笑ったりできるかどうかわからない状態になってしまったので、とりあえず私一人が別に住むことにしました。
週末にレオパレスを申し込みにいったら、どうも入居は1週間以上先になるそうです。
ウイークリーマンションだから、てっきり申し込んだら2-3日で入居できるものだと思っていましたが、違うようです。
そういうことを一緒に話し合ううちに、このまま(一緒に住みながら)様子を見ようということになりました。
ーまだ続くー
翌朝
その話し合いの翌朝は雪が降りました。

いつもの朝、学校に行く前に子供たちがネコを追い掛け回して、奥さんが
「早く行きなさい、学校に遅れるやろ。」
私は嫌いなパンの耳を残して
「とーさん、それ(耳)もたべなあかんやろ。あんた子供か?」
こんな友人の言葉が心に深く響きました
「もう少し雪解けして、家族みんなが幸せに暮らし、その中の各々の趣味の中に、ズー太郎さんのカーライフがありますように。」
PS
交換したクラッチとマスホイールの画像です。

何が問題だったのか
M3を所有することの何が問題だったのか?
それは、私の場合は、
①毎日の日常の足として使っていた
そして、
②仕事柄、絶対に仕事は休めない、そして仕事に遅刻できない
ことにつきると思います。
それにプラスして
③セダンと言ってもポルシェの対抗馬であるくらいの高性能車で、(日本車では考えられないほど)故障が多い
④部品が(日本車では考えられないほど)非常に高価
④部品が国内(BMW Japan)になく、部品調達に時間がかかる
ことでしょう。
毎日使う⇒壊れると足が無い⇒すぐに修理しないといけない⇒国内調達の部品だと高価⇒自分自身もヒステリックになる⇒ヒステリーが奥さんにも伝染する
でしょう。
最終的には、マーチニスモとM3の二台持ちになって、M3が故障しても何も気にすることがなくなって、自分自身尾ヒステリーが収まれば、奥さんの許容もでてきて、最終的に売却を決心したとき
「別に売らなくていいんじゃない?」
とまで言われたほど、M3に対して寛容になってくれていました。
こんなデリケートな車を背伸びして買って、そして、高額な維持費の車を、仕事には絶対遅れられない人間が毎日仕事の足に使うというのが、無謀だったのでしょう。
背伸びして大好きな車を購入することを考えておられる方のご参考になればと思います。
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